PFAS対応カートリッジで選ぶポット型浄水器

こんなに手軽なら、もっと早く買うべきでした。

家庭でできるPFAS対策

汚染マップ

2024年12月1日放送のNHKスペシャル『調査報道新世紀File8 追跡“PFAS汚染”』を見ました。民放があまり騒がないのは、空調大手D社に忖度する、大人の事情?

NHKがまとめた最新版のPFAS汚染マップを見ると、私が住んでいるところは、50ng/Lまではいかないものの、イエローゾーン。自然豊かな地方都市なので、ちょっとショックです。

あなたのまちの水道水は?全国PFAS検出状況マップ | NHK | WEB特集
【NHK】有害性も指摘される、一部の有機フッ素化合物・PFAS。新たに公表された水道水の検出状況をマップで可視化。

浄水器で摂取を減らす

PFASが問題になる前から、水だけで飲む場合は、安いペットボトルの水や、スーパーで汲んでくる無料のRO水を使っていたんですが、それ以外の場合(料理、炊飯の他、冷凍庫で作るキューブアイス、毎朝のコーヒー、子供が飲む麦茶など)は、水道水をそのまま使っていました

カルキであれば、沸かすことである程度抜けますが、PFASだとそうはいきません。取り除くためには、浄水器が必要です

据え付けタイプの浄水器やRO水のウォーターサーバーも考えてみたのですが、置き場所や費用の問題などで断念。

善は急げで、とりあえず、最も手軽なポットタイプを買うことに。

カートリッジの性能と価格

ポット型浄水器の3強。トレビーノ(東レ)ブリタクリンスイ(三菱ケミカル)のカートリッジ(各2種)について、性能と価格、PFAS対応についてまとめてみました。

PFAS対応の他、性能については公式ホームページからの情報です。価格は2024年12月時点での、ネット通販でのおおまかな最安値。ペットボトルと比較しやすいよう、2Lあたりの価格も併記してあります。

PFAS(Per- and polyfluoroalkyl substances、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)は総称です。

このうち、カートリッジの検査対象になっている物質は、PFOS(Perfluorooctanesulfonic acid、ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(Perfluorooctanoic acid、ペルフルオロオクタン酸)の2つです。

東レ トレビーノ

時短・高除去タイプ

スピード(ろ過流量)が速いのが特徴。

型番 PTC.SVJ(1個入り)/PTC.SV2J(2個入り)
総ろ過水量 200L
スピード 0.3L~0.4L/分※
ろ材 活性炭、イオン交換体
PFAS対応
除去物質総数 17
1本あたりの最安値 1340円/本
2Lあたりのコスト 13.4円/2L

※使用する本体によって、カートリッジのろ過流量が変わります。

トリハロメタン・塩素・カビ臭(2-MIB)除去タイプ

ろ材は活性炭のみで、除去項目は少な目。その分、価格は安い。

型番 PTC.FJ(1個入り)/PTC.F3J(3個入り)
総ろ過水量 200L
スピード 0.2L/分
ろ材 活性炭
PFAS対応
除去物質総数 7
1本あたりの最安値 1003円/本
2Lあたりのコスト 10.0円/2L

ブリタ

マクストラプロ ピュアパフォーマンス

強力なイオン交換樹脂が水の硬度を下げる。

型番 1053780
総ろ過水量 150L
スピード ? L/分
ろ材 活性炭、高性能フィルターメッシュ、イオン交換樹脂
PFAS対応
除去物質総数 16
1本あたりの最安値 982円/本
2Lあたりのコスト 13.1円/2L
マクストラプロ ホットドリンク

水の硬度を下げ、珈琲、緑茶が美味しくなる。PFAS対応は不明。

型番 1053792
総ろ過水量 150L
スピード ? L/分
ろ材 活性炭、高性能フィルターメッシュ、イオン交換樹脂
PFAS対応
除去物質総数 8
1本あたりの最安値 1260円/本
2Lあたりのコスト 16.8円/2L

三菱ケミカル クリンスイ

CPC5

中空糸膜を採用。除去項目は多いが、スピードは遅め。

型番 CPC5
総ろ過水量 200L
スピード 0.1L/分
ろ材 中空糸膜、セラミック、活性炭
PFAS対応
除去物質総数 20
1本あたりの最安値 1,330円/本
2Lあたりのコスト 13.3円/2L
CPC7

炭酸カルシウムでpHを上げ、アルカリ水にする。値段は高め。

型番 CPC7
総ろ過水量 200L
スピード 0.05L/分
ろ材 中空糸膜、セラミック、活性炭、炭酸カルシウム
PFAS対応
除去物質総数 20
1本あたりの最安値 2,205円/本
2Lあたりのコスト 22.1円/2L

一覧表

比較しやすいように、一覧表にしてみました。

ブランド カートリッジ 総ろ過水量 スピード PFAS対応 除去物質総数 1本の最安 2Lコスト
トレビーノ PTC.SVJ 200L 0.3~0.4L/分 17 1340円/本 13.4円/2L
トレビーノ PTC.FJ 200L 0.2L/分 7 1003円/本 10.0円/2L
ブリタ ピュアパフォーマンス 150L 16 982円/本 13.1円/2L
ブリタ ホットドリンク 150L 8 1260円/本 16.8円/2L
クリンスイ CPC5 200L 0.1L/分 20 1,330円/本 13.3円/2L
クリンスイ CPC7 200L 0.05L/分 20 2,205円/本 22.1円/2L

カートリッジ6種類のうち、PFAS対応が不明なのは、ブリタのマクストラプロ ホットドリンクのみ。他は全て対応しています。

PFAS対応で考えた場合、ランニングコスト優先なら、トレビーノのトリハロメタン・塩素・カビ臭(2-MIB)除去タイプ(PTC.FJ)

スピードや、PFAS以外の除去物質も考慮すると、他のカートリッジも選択肢に入ってきます。

他の物質は?

PFAS以外の除去物質についても、表にして比べてみました。

トレビーノ
PTC.SVJ
トレビーノ
PTC.FJ
ブリタ
ピュア
パフォーマンス
ブリタ
ホット
ドリンク
クリンスイ
CPC5
クリンスイ
CPC7
遊離残留塩素
濁り
クロロホルム
ブロモジクロロメタン
ジブロモクロロメタン
ブロモホルム
テトラクロロエチレン
トリクロロエチレン
総トリハロメタン
CAT(農薬)
2-MIB(カビ臭)
溶解性鉛
1,2-DCE
ベンゼン
陰イオン界面活性剤
フェノール類
ジェオスミン
PFOS及びPFOA
鉄(微粒子状)
アルミニウム(中性)
総数 17 7 16 8 20 20

除去物質総数が20と、最も多いクリンスイ(CPC5、CPC7)にあって、他のカートリッジにないものはなんなのか。

それは、濁り鉄(微粒子状)アルミニウム(中性)の3つ。これらは、今回挙げた6種類のカートリッジの中では、クリンスイだけに採用されている中空糸膜により除去される物質です。

ただ、クリンスイはスピードが遅いのが欠点。1Lを浄水するのにかかる時間は、最も早いトレビーノの時短・高除去タイプ(PTC.SVJ)が最短で2.5分※なのに対し、クリンスイは、CPC5が10分。CPC7だと20分もかかってしまいます。

※本体がPT302SVかPT304SVの場合、0.4L/分。

本体を選ぶ

スピード重視で、トレビーノの時短・高除去タイプ(PT302SV)を買いました。容量は1Lです。

東レ・トレビーノPT302SV
カートリッジの中をスーっと流れるので、忙しい朝でもイライラすることはありません。

冷蔵庫に入る大きさ
冷蔵庫にも入るサイズで、置き場所に困りません。

上でも書きましたが、カートリッジ(PTC.SVJ)の交換目安は200L。期間にすると、1日3L使用の場合は2か月、1日2L使用の場合3ヶ月になります。

宅配水の方が安全?

他の有害物質もそうですが、どんな浄水器でも100%除去できるわけではありません

今回紹介したような一般的な家庭用浄水器だと、80%の除去を保証している場合がほとんどのようです。

それ以上を求めるなら、RO水(PFAS除去率は95%前後?)ということになりますが、スーパーに毎日、水汲みに行くのも大変ですし、ペットボトルのRO水を買うにしても、コストが馬鹿になりません。

信頼できる宅配水業者から、RO水を定期購入するのもオススメです。

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