マジックドラム?穴なし槽?黒カビ防止から見た洗濯機選び

10年以上前に中古で買った洗濯機に黒カビが生えてきたので、買い換えることにしました。

黒カビに強い洗濯機

洗濯槽の裏側には

独身時代に中古で買った日立のNW-42AF。まだまだ使えそうな気がするんですが、かみさんの強い要望で、買い換えることに。

理由は茶色いカス。せっかく洗った衣類に付いてしまうんだそうです。無理に取ろうとすると、糊みたいにくっつくし、確かに気持ち悪い。1人のころは全然気にしなかったんだけどなぁ。

洗濯機の黒カビ
このカス。何なんだろうと思って調べてみると、洗濯槽の裏側に生えた黒カビらしいです。ベタベタするのは、石鹸カスと一緒になっているから。

見た目だけでなく、体にも悪そうです。

最近の洗濯機事情

価格comを参考に、最近の洗濯機についてまとめてみました。

縦/横 タイプ 説明 主流
縦型 洗濯機 乾燥機能がない、ただの洗濯機
縦型 簡易乾燥機能付洗濯機 温風ではない送風機と一体化
縦型 洗濯乾燥機 本格的な乾燥機と一体化
縦型 2槽式洗濯機 洗濯と脱水の2槽から成る
ドラム式 洗濯機 乾燥できないドラム式
ドラム式 洗濯乾燥機 本格的な乾燥機と一体化

現在の主流は、縦型の簡易乾燥機能付洗濯機と洗濯乾燥機、ドラム式の洗濯乾燥機です。乾燥機能のない縦型洗濯機(1行目)は、シングル用のシンプルなものを除いて、ほとんど姿を消してしまったようです。

意外なのは2槽式(4行目)。年配者だけでなく、一部の洗濯マニアからも支持されているようで、複数のメーカーが生産を続けています。

各メーカーの黒カビ対策

いくら汚れがよく落ちる洗濯機を買っても、黒かびか付いたら意味がありません。

最近主流の洗濯機(上表の★印)には、ほとんどの場合、1~3ヶ月おきに洗濯槽クリーナーなどを用いて黒かびを除去する槽洗浄機能と、洗濯のたびに洗濯槽の外側と外槽の内側などの汚れを洗う自動おそうじ機能が付いています。

槽洗浄はどこも似たような仕組みですが、自動おそうじには各メーカーそれぞれ、工夫があります。

自動おそうじ機能

メーカー 特徴
日立 すすぎ後、シャワーから出る、きれいな水道水でおそうじ。
パナソニック すすぎ時に1回目のおそうじ。脱水の勢いで2回目のおそうじ。
東芝 脱水(Ag+抗菌水)の勢いでおそうじ。
シャープ 脱水の勢いでおそうじ。

自動おそうじというのは、槽の裏側をスポンジでゴシゴシ洗うなど、何か革新的なことをやっているわけではなく、これまでの洗濯機の水流の当たり具合や遠心の時間を工夫して、槽の外側などに付く汚れを残しにくくしているだけのようです。

自動おそうじ機能を謳っていない昔の洗濯機でも、すすぎ時の水流は洗濯槽の裏側と外槽の内側にも触れているでしょうし、脱水時の水も外槽の内側に当たっているはずですので、これが自動おそうじだよと言われていれば、納得していたかもしれません。節水にこだわっていない分、今の洗濯機よりもカビがつきにくかったりして。

自動おそうじ以外の工夫

メーカー 特徴
日立 特記なし
パナソニック 洗濯終了後、ナノイーを噴射。
東芝 マジックドラム。洗濯終了後、ピコイオン噴射か槽乾燥。
シャープ 穴なし槽。洗濯終了後、プラズマクラスター噴射。

日立を除き、自動おそうじ以外にも工夫があります。特に、東芝とシャープはこちらの方が肝かもしれません。

東芝のマジックドラムというのは、ステンレス洗濯槽に(株)五合のゼロ・クリアという親水性ガラスコーティングを施したものです。洗濯槽に汚れやカビが付着しにくくなります。コーティングの耐用年数は10年くらいのようです。

シャープの穴なし槽というのは、その名の通り、通常は開いている穴が無い洗濯槽で、縦型のみに採用されています。私は、最初、これをメンテナンスフリーの革新的な機種であると誤解していました。ホームページなどの広告によると、『外側に発生する黒カビが内側に入り込めない』とあります。つまり、外側に黒カビが生えることを前提にしているわけです。臭いものには蓋をしろってことですね。

日立以外のメーカーの一部の機種では、空気清浄機などでおなじみのナノイーやプラズマクラスターを噴射して、カビを抑制できるそうですが、どの程度の効果があるのか、ちょっと疑問です。

乾燥機の防カビ効果

黒カビ防止機能のなかに、槽乾燥というものがあります。普通は槽洗浄の後に行いますが、東芝の一部の機種だと、洗濯後に毎回実行する設定も可能です(カビプロテクト)。カビの発芽、増殖には水分が必要ですので、防カビ効果は高いと思います。

一方、乾燥機付きはカビ易いという意見もあります。おそらく、洗濯物を乾燥させる際に、洗濯機内の湿度と温度が上がることを考えてのことだと思います。

確実なのは、洗濯物の乾燥は一切やらず、槽乾燥だけ行うことですが、これだとせっかくの乾燥機能がもったいないですね。

送風だけの簡易乾燥機能付きだったら割り切れるんですが。

結局、選んだのは

結局、ヤマダ電器で東芝の縦型洗濯乾燥機AW-8V2Mを買いました。

サイズは8kg。マジックドラム搭載機です。旧モデルですが、2014年8月発売なので、まだ1年経っていません。値段は56000円(税別)で、これに期間限定ポイントが5000円分付きました。ポイントも含めると、発売当初の実売価格から見て、実に6割以上の値引きです。

東芝でゴタゴタがあったせいで、投売りしてるんでしょうか

黒カビ防止については、同クラスの機種であれば、どのメーカーも一長一短で、効果に大差はないと思います。メンテナンスしやすくするため、洗濯槽を簡単に取り外せるようにするとか、あるいはダイソンのサイクロン掃除機みたいに、何か革新的な仕組みが出てこないと、この状況は変わらないでしょう。

機械任せにしない

自動おそうじやナノイー噴射などの黒カビ抑制機能は、あくまで補助的なものです。

黒カビを防ぐために大事なのは、説明書をよく読んで、正しい使用法を守ること。洗濯物を入れっぱなしにしないのはもちろん、使わないときは蓋を開けておくだけでも、カビを防ぐ効果は十分あります。洗剤の入れすぎもNG。カビの養分になる石鹸カスの原因になります。

これらを守ったとしても、カビは生えてくるでしょうから、定期的な槽洗浄は絶対にサボってはいけません。

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